【11月2日 AFP】(一部修正)10月31日にイスラエル入りしたヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相との共同記者会見で、頓挫しているイスラエル・パレスチナ間の和平交渉について「入植活動の停止を前提条件としない」早期再開を求めた。

 会談の前に行われた異例の共同会見で、クリントン長官はネタニヤフ首相が提示する入植住宅増設の部分停止案を「前例のないものだ」と評価したうえで、「交渉に前提条件を設けるべきではない」と強調した。

 パレスチナ側は、ヨルダン川西岸(West Bank)でのすべての入植活動を凍結しない限り交渉の再開はないと主張してきた。クリントン長官は5月、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領がネタニヤフ首相と初会談した際、「(大統領は)入植活動の全面停止を求めている」と発言していた。

 米側の柔軟姿勢への大幅な転換について、イスラエルの専門家らは、ネタニヤフ右派政権が圧倒的多数の有権者の支持をバックに、入植問題に関しては簡単には譲歩しないことを米側がさとったからだと見ている。

 一方でパレスチナ自治政府は、米側の態度の変化は、和平交渉実現に向けた米政府の努力を「徹底的に打ち砕くもの」だと非難している。(c)AFP/Yana Dlugy