【10月28日 AFP】北朝鮮メディアは27日、「北朝鮮にあこがれた」養豚業の韓国人男性、カン・ドンリム(Kang Tong-Rim)氏が26日、軍事境界線を越えて北朝鮮に亡命したと伝えた。韓国軍によると、境界線の鉄柵が切断されていたという。

 北朝鮮の国営朝鮮中央通信(Korean Central News AgencyKCNA)は、カン氏は、当局の「温かい保護」を受けており、「亡命したいという思いを達成できたことを喜んでいる」と伝えた。

 また、カン氏が韓国南部の沿岸の小さな町、筏橋(Beolgyo)出身で、長らく北朝鮮に「あこがれ」を持ち、2001年9月から03年11月に韓国軍の兵役についていた際も、亡命を試みていたと述べた。

■暴行事件で指名手配中

 一方、韓国の警察当局は28日、カン氏について、暴行容疑で指名手配中だったと発表した。

 カン氏はソウル(Seoul)から180キロ南にある鎭安(Jinan)郡で働いていたが、地元警察によると、カン氏は9月に勤務先の養豚場の経営者に暴行したとして、指名手配されていたという。

 地元警察幹部がAFPに語ったところによると、カン氏は暴行事件の2か月前から同養豚場に勤務。鈍器のようなもので経営者に暴行した後、逃走していたという。(c)AFP