【8月20日 AFP】複数の米メディアは20日、米中央情報局(Central Intelligence AgencyCIA)が秘密で進めていた国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)指導者らの捜索と暗殺計画を、2004年に米民間警備会社ブラックウォーター(Blackwater、現社名はXe)に委託していたと報じた。元情報当局者や現役当局者らが明らかにしたという。

 米ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙によると、CIAが数百万ドルを費やしたこの暗殺計画は、実行に移される前に、レオン・パネッタ(Leon Panetta)CIA長官に中止を命じられた。パネッタ長官が中止を決定した主な理由は、外部企業に業務が委託されていたことだったという。

 6月に計画の存在を知り中止を命じたパネッタ長官は、米議会にこの計画の詳細を通知した。計画は2001年以来、秘密で進められており、議員らは一切知らされていなかったという。

 また、政府高官は同紙に対し、CIAがブラックウォーターと正式な外部委託契約を結ばず、同社の重役個人らと個別に契約していたと語った。

 米ワシントン・ポスト(Washington Post)紙も、ブラックウォーターが「作戦上の責任」を与えられていたと伝え、また、暗殺計画が実施される前に中止されたことを伝えた。同紙によると、計画が中止されるまでの間に、訓練や兵器購入の費用として、ブラックウォーターに数百万ドルが支払われたという。

 暗殺計画に詳しい情報当局高官は、ワシントン・ポスト紙に対し、「外部委託であれば、何かまずいことが起きた場合にもCIAを守ることができる」と語った。(c)AFP