【8月11日 AFP】(一部更新)ミャンマー・ヤンゴン(Yangon)のインセイン(Insein)刑務所に設置された特別法廷は11日、自宅軟禁の条件に違反し、外国人を自宅に滞在させたとして起訴されていたミャンマーの民主化運動指導者、アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さん(64)に、懲役3年の有罪判決を言い渡したが、同国の軍事政権はこれを自宅軟禁18月に減刑した。

 スー・チーさんは5月、湖畔にある自宅に湖を泳いで渡って侵入した米国人ジョン・ウィリアム・イエットー(John William Yettaw)被告(54)を滞在させたことで起訴された。
 
 しかし、法廷の前で会見したマウン・ウ(Maung Oo)内相は、タン・シュエ(Than Shwe)国家平和発展評議会(SPDC)議長が、刑の執行を猶予し、スー・チーさんに18月の自宅軟禁を命じる特別命令に署名したと発表した。

 ミャンマー軍事政権は、2010年に複数政党制選挙を実施すると誓約しているが、この選挙の時点も、スー・チーさんは自宅軟禁下にあることとなる。前回、ミャンマーで最後に複数政党が参加した選挙では、スー・チーさんが書記長を務める国民民主連盟(NLD)が圧倒的勝利を収めた。

 一方、共同被告人として同じく起訴されていたイエットー被告は同日、3件の加算刑で懲役7年の実刑判決を言い渡された。

 当局および目撃者によると、インセイン刑務所周辺を治安部隊が封鎖するなか、軍事政権はヤンゴン駐在のすべての大使館の外交官と地元の報道陣に裁判の傍聴を許可した。 

 90年に総選挙でのNLDの圧倒的勝利を承認することを軍事政権が拒否して以来、スー・チーさんはこれまでに過去20年間のうち、14年を自宅軟禁下で過ごしてきた。

 新たに科された18月が、これまでどおり湖畔の自邸での軟禁になるか、別の場所になるかは明らかになっていない。(c)AFP/Hla Hla Htay