【6月4日 AFP】(一部更新、写真追加)民主化運動の武力弾圧で多数が犠牲になった1989年の天安門(Tiananmen)事件から20年を迎えた4日、中国当局は北京(Beijing)中心部の天安門広場(Tiananmen Square)周辺に厳戒態勢を敷き、反体制派に対する取り締まりを一層強化して警戒を強めている。

 広場周辺には3日から警官や武装警官など数百人が配備され、広場に近づく人の手荷物や書類を確認している。また、広場への海外メディアの立ち入りは禁止された。

 当局は事件に関する議論を阻止するため、ウェブサイトや海外メディアへのアクセスを制限。事件当時に運動の中心になった反体制派の指導者らは、記念日を前に北京を出るように告げられたり、強制的に退去させられたりしている。

 天安門事件で逮捕され2年間服役し、最近胡錦涛(Hu Jintao)国家主席あての公開書簡を書いた男性は当局に連行された。香港では当時の学生指導者の男性が米国のパスポートで入国しようとしたところを阻止され、ニューヨーク(New York)に送り返された。

 一方、当時の学生指導者の1人で、中国当局の指名手配リストで2番目に挙げられ台湾で亡命生活を送っているウアルカイシ(Wu'er Kaixi)氏は3日、中国本土で裁判を受けることを希望し、台北(Taipei)からマカオ(Macau)経由で入国しようとしたが、マカオの入国管理当局に拘束され、入国を拒否された。同氏がAFPに電話で語ったところによると、当局は同氏に台北に戻るよう求めたが、同氏は拒否したという。

 1989年の天安門事件では、民主化を求めて天安門広場で座り込みの抗議をしていた学生らに対し、中国当局が武力弾圧を行った。犠牲者は数百-数千人といわれる。(c)AFP/Robert J. Saiget/Guy Newey