【11月10日 AFP】(一部更新)バラク・オバマ(Barack Obama)次期米大統領の政権移行チームは9日、オバマ氏は、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領が発令した、米国沖の海底油田の採掘・開発や受精卵の胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を用いた研究の規制についての大統領令を撤回することを検討していることを明らかにした。

 こうした動きは、オバマ氏が、8年間におよぶブッシュ政権下の政策を大統領就任後にただちに変更することを示唆している。一方で、オバマ氏の側近は、次期政権では、オバマ氏は超党派路線をとることを強調するとともに、特に国防総省などで前政権でも登用された人材を用いる可能性があるとの見通しを示している。

 民主党と共和党とでは、経済問題やイラク戦争、アフガニスタン戦争など優先度の高い問題で、大きく異なる姿勢を示している。

 オバマ氏は10日から現政権と政権移行について協議を行う予定だが、同氏の政権移行チームのトップ、ジョン・ポデスタ(John Podesta)氏は、ES細胞を用いた研究の禁止や油田の新規開発などを含むブッシュ政権の特徴的な政策を撤廃する可能性を示唆している。

 ポデスタ氏は米テレビ局FOXに対し、「ブッシュ政権は、ES細胞を用いた研究の禁止など、米国にとってあまり利益にならない政策を積極的に行っている。われわれは、エネルギー転換政策やヘルスケアの問題、ES細胞の研究などについて再検討しているところだ」と語った。

 ポデスタ氏は、「オバマ氏が検討中の事項についてはコメントは控える」としたうえで、「大統領候補として、オバマ氏はブッシュ大統領によるすべての大統領令を見直し、継続・修正の必要性を判断することを希望している」と述べた。(c)AFP/Kerry Sheridan