【3月10日 AFP】イラク戦争開戦時に米国防総省の政策担当次官を務めたダグラス・フェイス(Douglas Feith)氏が、最新著書のなかでコリン・パウエル(Colin Powell)国務長官(当時)や米中央情報局(CIA)について、イラク戦争を台無しにしたとして非難していることが明らかになった。同氏の新著『War and Decision(戦争と決断)』の原稿を入手した米ワシントン・ポスト(Washington Post)紙が9日、報じた。

 2005年まで国防総省の政策担当次官を務め、米国の対イラク戦争政策で中心的役割を担ったフェイス氏は著書の中で、パウエル氏が当時のイラク政府の脅威の程度と緊迫性を「軽視」したこと、にもかかわらずイラク戦争に対する反対の意思を公に示さなかったことを指摘。イラク戦争への支持を仏独から取り付け損なったことや、イラク攻撃にあたってトルコ政府から同国領内の米軍基地の使用許可を得られなかったことについて、「パウエル氏の努力と熱意が欠けていたため」と強く非難した。

 また、パウエル氏がイラク攻撃に反対の立場であったなら確固たる態度でジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領を説得すべきで、説得できなければ辞任すべきだったと同氏を糾弾しているという。

 さらに、トミー・フランクス(Tommy Franks)元中央軍司令官についても、侵攻後の占領計画に意欲を示なかったとして、また当時、国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めていたコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)国務長官については対イラク戦争政策をまとめることができていなかったとして、それぞれ非難している。

『War and Decision』は米ハーパーコリンズ(HarperCollins)から4月に出版される予定。(c)AFP