【11月12日 AFP】スペインのフアン・カルロス1世(Juan Carlos I)国王がチリのサンティアゴ(Santiago)で開催された第17回イベロ・アメリカ首脳会議(Ibero-American summit)で、スペインのホセ・マリア・アスナール(Jose-Maria Aznar)前首相を「ファシスト」だとののしったベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領に対し、「黙れ」と激怒したことについて11日、スペインメ国内のメディアでは国王を称賛する報道が相次いだ。

 全国紙ムンド(El Mundo)は、前例のない行為だったとした上で、「国王はスペイン国民の代表として、チャベス大統領に誤りを正した。同大統領は、もっと前に非難されるべきだった」と伝えた。

 カルロス1世国王は、同会議の閉幕直前にチャベス大統領がアスナール前首相を「ファシスト」だと非難する攻撃的な演説を始めたことに激怒、会場を立ち去る前に「黙れ」と一喝した。

 この騒動によって、中南米でスペイン語とポルトガル語を公用語とするラテンアメリカ諸国、スペイン、ポルトガル、およびアンドラの首脳が一堂に会し、8日に開幕した会議は劇的な結末を迎えた。

 保守系のABC紙は、国王が「チャベス大統領とニカラグアのダニエル・オルテガ(Daniel Ortega)大統領の攻撃からスペインを守った」と称賛した。

 また、全国紙パイス(El Pais)は「チャベス大統領が行った痛烈な非難は、2国間の関係上の許容範囲を超えた」と伝えた。(c)AFP