【7月5日 AFP】安倍晋三首相は4日、ロバート・ジョセフ(Robert Joseph)米核不拡散問題特使による広島、長崎への原爆投下に関して、「原爆の使用が戦争の終結をもたらした」との発言に対し、「原爆を許すことはできない」との自身の見解を明らかにした。

 共同通信社によると、ロバート・ジョセフ(Robert Joseph)米核不拡散問題特使は3日、ワシントンD.C.(Washington D.C.)での米露の核軍縮に関する記者会見で、原爆を使用した米国の核不拡散に対する道義的な正当性を問われたことについて、「原爆の使用が戦争の終結をもたらし、連合国だけでなく、文字通り日本人も含めた多くの命を救ったということに関しては、歴史家の意見が一致していることだ」と語り、広島、長崎への原爆投下に関して言及した。

 この発言は、久間章生防衛相が原爆投下に関して「しょうがない」と述べ、3日に辞任することとなった数時間後の出来事だった。

 ジョセフ特使の発言を受け、安倍晋三首相は4日、官邸での記者会見で、広島と長崎でおよそ21万人もの死者を出し、いまだに後遺症に悩まされる多くの被爆者を生み出した原爆を許すことはできないと述べ、「原爆は決して許されるものではないという気持ちに変わりはない」とも語った。(c)AFP