【12月27日 AFP】キリスト教系のエジプト・コプト正教会(Coptic Orthodox church)の教皇シェヌーダ3世(Pope Shenuda III)はこのたび、信者が司祭に罪を告白し悔い改める「痛悔」を電話で行うことについて、「各国の情報機関が盗聴しているかもしれない」との理由で禁止した。エジプトの独立系新聞アルマスリ・アルヨウム(Al-Masri Al-Yom)が26日、伝えた。

 同紙によると、シェヌーダ3世はインターネットを介した痛悔についても、ネットユーザーたちに読まれる危険があるため妥当ではないとの見解を示したという。

 シェヌーダ3世は、「電話での痛悔は禁止する。なぜなら会話の内容が監視され、罪の告白が国家安全保障の問題とまでなる可能性もあるからだ。インターネットでの痛悔も、痛悔とは見なされない。誰もがその内容を見ることができ、秘密にできないからだ」と述べている。

 痛悔(宗派によっては告解)はキリスト教の秘跡の1つで、ローマカトリック教会、東方正教会でも行われている。通常は悔悟者と司祭との間の非常に個人的な会話とされ、司祭は処罰を受ける恐れがあったとしても、痛悔の秘密を厳格に守らなければならない。また、多くの国では法によって特別に「懺悔(ざんげ)の封印」が保護されている。

 コプト教のアンバ・モルコス(Anba Morcos)総主教はAFPに対し、信者らが痛悔に電話を使用し始めたのは「4-5年前からで、新しい問題」と述べた。また、シェヌーダ3世が「修道士は外界から隔絶されているべき」だとして、コプト教修道院での携帯電話使用も禁じたことを明らかにした。

 ちなみにローマカトリック教会でも、告解を電話やインターネットを通して行うことは認められていない。(c)AFP