【11月30日 Relaxnews】米コンサルティング会社が10か国・地域を対象に行った福利厚生に関する調査で、福利厚生の中で被雇用者が最も好むのは休暇の増加であることが分かった。

 米国に本社を置くコンサルティング会社マーサー(Mercer)が27日に発表した調査結果では、被雇用者たちは退職手当の上乗せといった補完退職金制度など長期的にみて価値がもたらされる福利厚生よりも、有給休暇のようにすぐに満足が得られる福利厚生を好む傾向が示された。

 マーサーの調査では米、英、アイルランド、仏、カナダ、ブラジル、スペイン、イタリア、中国、香港の10か国・地域の労働者1万400人に、健康保険、歯科や眼科での診療費補助、食費の補助、補完退職金制度などを含んだ福利厚生項目の一覧から、最も価値があると思う順番にあげてもらった。結果は、中国とフランスを除いた全ての国で「1週間の有給休暇」が上位3位以内に入った。

 米国の労働者が選んだ1位は「昇給」、2位が「保険徴収料の減額」で、「1週間の有給休暇」は3位だった。マーサーが11年末に発表した別の報告によれば、米国では休暇取得に関する法規定はないが、一般的に勤続5~10年の被雇用者は年間15日の有給休暇をとっている。

 英国では「1週間の有給休暇」が1位、傷害などで就業不能となった場合の「所得保障保険」が2位で、3位に「民間健康保険」が続いた。英国の法定年次有給休暇日数は28日で、欧州では休暇が多い国のひとつ。

 一方、「1週間の有給休暇」が3位内に入らなかったフランスの1位は「歯科での診療費補助」、2位が「眼科の診療費補助」、3位が「所得保障保険」だった。

 フランスの法定年次有給休暇の最低日数は年間25日だ。しかし週35時間労働制によりフランスの労働者たちは労働時間短縮(RTT)も獲得し、労働契約の種類によっては年9~12日の有休休暇を追加取得できる。

 また、中国で1位だったのは自動車通勤手当や通勤用シャトルバスなどの「通勤支援」で、2位が「住宅手当」、3位が「貯蓄制度」だった。中国の法定年次休暇は10日となっている。(c)AFP