【11月28日 AFP】内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」が、オーストラリアでその年最も優れたジャーナリズムに贈られるウォークリー賞(Walkley Awards)を受賞した。

 オーストラリアのジャーナリストや写真家からなる同賞の審査委員会は、さまざまな圧力に屈せずに米国の外交公電を公開したウィキリークスを高く評価した。

 27日の授賞式で審査委員会は、「ウィキリークスは新たなテクノロジーを活用して政府の内部情報に到達し、政府に都合の悪い真実を大量に暴露する国際報道におけるクーデターをやってのけた」と表現した。

 豪SBSテレビが授賞式を放送する中で、ウィキリークス創設者でオーストラリア出身のジュリアン・アサンジ(Julian Assange)容疑者のビデオメッセージが流された。

 このビデオの中でアサンジ容疑者は、「ウィキリークスについて米国がかけてきた圧力に対処する中で、ギラード政権はその本性を現した。オーストラリアのジャーナリストたちは勇敢で、オーストラリア国民は支持してくれているというのに、ジュリア・ギラード(Julia Gillard)は臆病な首相だ」と述べ、オーストラリアの首相と政府を批判した。

 コンピューター・ハッカーだったアサンジ容疑者は以前から、ウィキリークスの暴露の結果生じる自身への攻撃に対して、オーストラリア政府は十分に保護してくれないと批判していた。

 さらにビデオの中でアサンジ容疑者は「オーストラリア人としてわれわれは声をあげることができる限り、出版できる限り、そしてインターネットが自由である限り、失望すべきではない。われわれはこれからも、真実を武器に反撃し続けていく」と述べた。

 スウェーデンで強姦と性的暴行を犯した疑いで英警察に逮捕されたアサンジ容疑者はスウェーデンへの身柄移送をめぐり英国で法廷闘争を続けている。ロンドンの高等法院は2日、移送を認めた治安判事裁判所の決定を支持し、同容疑者の不服申立てを却下したが、アサンジ容疑者は15日、最高裁へ上訴した。(c)AFP