【3月3日 AFP】高級レストラン格付けガイドブック『ミシュランガイド(Michelin Guide)』最新版で、フランスの小さなシーフードレストランが星を獲得したが、少々遅すぎた――。この店は閑古鳥が鳴いていたため、2か月前に閉店したばかりだったのだ。

 ノルマンディー地方の漁村、アングビル(Ingouville)でレストラン「レ・エートル(Les Hetres)」を経営していた料理人のマックス・ビショ(Max Bichot)さんは、前月28日に発売されたミシュランガイドを見た元従業員から、この店が星を獲得したという知らせを受けた。

 ビショさんは、客足が伸びないことから、前年12月30日に店を畳んでいた。ミシュランの審査員はそれ以前に店を訪れていたらしい。ガイドブックでは、「サバの白ワインソースあえ」と「ラタトゥイユとローズマリーを添えたレッドスナッパーのフィレ」が大絶賛されていた。

 ビショさんは2001年にも、経営していたレストラン「The Inn on the Cliffs」を閉店した過去がある。その名の通り店が建っていたクリフ(がけ)が崩落する危険があったためだ。

 今回の遅すぎた名誉に気を良くして、ビショさんはまた別のレストランを始めるつもりだろうか?そうでもないようだ。ビショさんはAFPに次のように打ち明けた。

「何ともラッキーなことに、恋に落ちた相手がシーフードレストランの経営者だったんだ。彼女の店を手伝うつもりさ。調理場で、今度は気楽にね」(c)AFP