【10月2日 AFP】各国が喫煙を抑制する法律を打ち出す中、北欧のフィンランドで1日、たばこに関する新しい法律が施行された。

 これにより18歳未満の人物がたばこを所持することが完全に禁止され、未成年にたばこを売ったり譲ったりすると、最高で禁固6月の刑が科される。また未成年者がよくいる場所と屋外イベントの観客席での喫煙は全面禁止され、インターネット上でのたばこの売買も違法となった。

 さらに2012年に店頭でのたばこの陳列の禁止、2015年にたばこ自販機を禁止するなど、国内におけるたばこ使用の段階的な全廃を目指している。たばこ全廃を目的に掲げた法律を作ったのは世界でもフィンランドが初めて。

 担当省の顧問として法案の策定に関わったイスモ・トゥオミネン(Ismo Tuominen)氏はAFPの取材に、「喫煙を減らすことを目的にするということは、ある意味で喫煙を是認することだ。われわれはこのことに気がついた」と語る。
 
 同様の法律はすでにアイスランドやノルウェーが採用しているが、トゥオミネン氏によると今回のフィンランドの新法はさらに踏み込み、たばこ企業に一定の時間的猶予を与えてフィンランドからの完全撤退を迫るという政策目標を明確に規定している。

 トゥオミネン氏は、たばこの完全禁止の実現は難しいだろうと認める一方、フィンランドでのたばこの製造、宣伝、売買は確実に、きわめて難しくなるだろうと話す。

 米タバコ大手フィリップ・モリス(Philip Morris)の広報担当者はAFPの取材に、たばこ規制の必要性を認めつつも、政府が国民に禁煙を止めさせられるなどと考えるのは非現実的だと語った。同社は店頭でのたばこ陳列禁止の撤回などを狙い、2件の訴えを起こしている。(c)AFP