【6月25日 AFP】オーストラリア・メルボルン(Melbourne)に、サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)の期間中、直径6メートルもある公式球「ジャブラニ(Jabulani)」の中で生活している1人の若者がいる。巨大サッカーボール内には食べ物のたっぷり詰まった冷蔵庫、2段ベッド、パソコン、そしてテレビが備わっており、しかも数千ドルの報酬付きだ。

 アダム・サンタロッサ(Adam Santarossa)さん(23)は、大会スポンサーのアディダス(Adidas)が行った募集に当選、友だちもうらやむ日々を送ることになった。大会中の1か月間、やることと言えばテレビで毎日試合を観戦し、ツイッター(twitter)でつぶやきを発信し、ブログを書くこと。

「ほかの人たちには仕事があるし家庭の用事もあるけど、僕は決められた時間にブログを書けばいいだけ。気楽な生活だね。みんなうらやましがってるに違いないよ」とアダムさん。

 ボールの中には掃除機、洗濯機、プレイステーション3(PlayStation 3)まである。大会終了時までこの生活を全うしたあかつきには、3000豪ドル(約23万円)の「手数料」とボール内にあるものすべて、さらにスポーツ用品の詰め合わせ3袋をゲットすることができる。

 アダムさんはオーストラリア代表の試合がある時に限り、メルボルンの波止場に置かれたこのボールの中に友人を招くことが許されている。これまでに、歌手ダニー・ミノーグ(Dannii Minogue)のパートナーであるクリス・スミス(Kris Smith)など、ちょっとしたセレブの「表敬訪問」も受けた。

「最初は、みんなが窓からのぞいてくるので少し大変だったけど、今は快適。滞在期間を延ばせるかどうか、聞いてみようと思ってるんだ」とアダムさんは語った。(c)AFP