【2月16日 AFP】年をとったカップルほど、パートナーを愛しており、一部の生理的な障害にもかかわらず満足度の高いセックスライフを続けているとするカナダの研究結果が、12日公表された。

 ケベック大学(University of Quebec)のジル・トゥルーデル(Gilles Trudel)教授(心理学)が、ケベック州で年金生活を送る65歳以上の夫婦508組に対し、夫婦の一致度を「SpanierDyadic Adjustment Scale」により測定したもの。この尺度は、「性生活の満足度」「コミュニケーション度」「結束度」などの項目から成り、数値が高いほど夫婦の一致度が高いことを示す。

 その結果、65歳以上の夫婦の数値は119~120ポイントと、カナダ人平均の114を上回り、年代別では最も高いことがわかった。

 離婚した夫婦が含まれていないために高い数値が出たとも言えるが、トゥルーデル教授は、「定年退職後の夫婦には一緒に過ごす時間がたっぷりでき、いわゆるセカンド・ハネムーンが訪れる」と指摘する。

 一方で、定年退職が逆効果を生むこともある。時間ができた分、キャリア形成や子育てに費やされてきた年月の間にも潜在していた夫婦間の問題が、いきなり表面化するのだ。

 それを反映してか、年配者カップルにおける不安神経症やうつ病の割合は、若いカップルの2倍となっている。

 調査では、最近の新たな傾向も明らかになった。70歳以上のカップルにおける離婚率はかつてはゼロに近かったが、最近では5~6%まで増えているのだ。離婚の理由には「パートナーが浮気したため」といったものもあった。

 また、教授によると、年配者の性生活は今やタブーではないという。人は年をとるにつれ性的機能が変化するが、研究に参加した一部の年配者からは「薬の助けを借りて」または「薬の助けがなくても」、性生活を今でも楽しんでいるといった声が聞かれたという。(c)AFP/Michel Viatteau