【8月4日 AFP】スコットランドと言えば、バグパイプ、スコッチウイスキー、ハギス、タータンキルト。だがもう一つ、意外なものが仲間入りするかもしれない。それは「チキンティッカマサラ」だ。

 グラスゴー(Glasgow)でレストラン「シシ・マハル(Shish Mahal)」を営むパキスタン出身のアフメド・アスラム・アリ(Ahmed Aslam Ali)さん(64)は、チキンティッカマサラは自分が考案したと主張し、欧州連合(EU)に対し、「原産地名称保護(Protected Designation of Origin)」指定を求めている。地元の名産品であることを証明するこの指定を受けているものには、シャンパン、パルマハム、フェタチーズなどがある。

 アリさんによると、チキンティッカマサラ誕生は1970年代にさかのぼる。同レストランでは、チキンティッカを提供していたが、客から「ソースをかけて食べたい」との要望があったことがきっかけで、チキンティッカを、ヨーグルトやクリーム、スパイスを混ぜたソースで料理するようになった。これがチキンティッカマサラだ。

 ヨーグルトやクリームを使うようになったのは、辛いカレーになじみのないスコットランド人たちの嗜好(しこう)に合わせたからだという。これはのちに、英国中のレストランで一番人気のメニューとなっていく。

 チキンティッカマサラの発祥地を特定するのは今となっては難しいが、カレーが西洋の味覚に合わせて変化したもの、というのが一般的な概念だ。

■クック元外相、「英国の国民食」

 グラスゴー出身のモハメド・サルワール(Mohammad Sarwar)議員は数日前、チキンティッカマサラの原産地名称保護を求める案を下院に提出した。

 こうした動きを支持する人々が第一に指摘するのは、ロビン・クック(Robin Cook)元外相が2001年に英国人のアイデンティティーについて行った演説だ。チキンティッカマサラは「今や英国の国民食だ」とクック元外相は述べた。「なぜなら、最も人気がある食べ物であるというだけではなく、外部の影響を吸収し適応していくという英国文化の特徴をこれ以上示しているものはないのだから」

 ところでアリさんは、チキンティッカマサラを、グラスゴーへの「贈り物」にしたいと語っている。アリさんを受け入れてくれた街への一種の恩返しだという。

 カレー料理をめぐっては、英国中部の都市バーミンガム(Birmingham)が、これも英国で人気の「バルチ」の発祥地としての認定を求めている。(c)AFP/Lucie Godeau