【3月24日 AFP】牛肉などの赤身肉や加工肉の摂取量が多いとがんや心臓病などの致死性疾患のリスクが高まる一方、鶏肉など白身肉の摂取はこうしたリスクを下げるという研究結果が23日、発表された。

 この研究は、米国立衛生研究所(US National Institutes of HealthNIH)と米高齢者団体AARPが合同で10年以上かけて行った追跡調査によるもの。

 研究開始は1995年で、50歳から71歳までの男女、合計50万人以上を対象に、赤身肉、加工肉、白身肉の摂取頻度や調理方法などを調査した。調査対象者のうちこれまでに男性4万7976人、同女性2万3276人が死亡している。

 肉の摂取量に応じて調査対象者を5つのグループに分けて比較したところ、赤身肉の摂取量が最も多かったグループは、最も少なかったグループより死亡率が高かった。加工肉についても同様の結果が得られた。

 一方、白身肉の摂取量が最も多かったグループは、白身肉の摂取が最も少かったグループよりも死亡率がわずかに低かった。

 死亡した調査対象者のうち男性の11%、女性の16%は、赤身肉の摂取を減らしていれば死亡を防げたかもしれないと、研究チームを率いたNHIのラシミ・シンハ(Rashmi Sinha)氏は言う。

 同様に、心疾患で死亡した調査対象者のうち男性の11%、女性の21%についても、赤身肉の摂取量を最も少ないグループと同程度に抑えていれば、死亡リスクが減少した可能性があったという。

 論文は肉を高温で調理すると発がん性物質が生じることや、肉類はある種のがん発症に関係があると考えられている飽和脂肪を多く含むことに言及し、肉の摂取とがん発症の関連を指摘した。

 肉類の摂取量が少ないとコレステロール値や高血圧などの心疾患リスクが緩和される傾向があるというということは従来から指摘されている。(c)AFP