【12月4日 AFP】ジンバブエ政府は3日、コレラ感染拡大による死者が560人を超え、病院での患者受け入れが限界に達したとして非常事態を宣言し、国際社会に支援を要請した。4日、国営紙ヘラルド(Herald)が伝えた。

 デービッド・パリレンヤトワ(David Parirenyatwa)保健・児童福祉相は「わが国の中央病院は機能していない。わが国の医療スタッフはやる気をなくしている。医療スタッフを職場に戻し、保健システムを再び機能させるため、わが国はあなたがたの援助を必要としている」と述べた。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は2日、同国での公衆衛生活動を強化し、栄養補助食品の配布や広域にわたる安全な飲料水確保などの緊急支援対策を実施すると発表している。

 首都ハラレ(Harare)では、浄水に用いる硫酸アルミニウムが不足したため、前月29日から断水が続き、市民らは水を確保するため井戸を掘り、自主的に水を売買するなどしてしのいでいたが、政府関係者によると、3日に断水は復旧したという。

 一方、人道支援団体は、コレラ感染は、すでに隣国の南アフリカにまで拡大している可能性が高いと警告。南アフリカ衛生当局によると、ジンバブエとの国境を流れるリンポポ川(Limpopo River)から数日前にコレラ菌が検出されたという。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)の説明によると、コレラはコレラ菌に汚染された食物や飲料水を通じて感染する経口感染症の1種。潜伏期間は短く、発症すると激しい下痢に続いて脱水症状を起こし、死に至ることも多い。(c)AFP/Godfrey Marawanyika