【11月11日 AFP】睡眠不足は心臓病リスクを高めるとする自治医科大学(Jichi Medical University)による研究結果が10日、米国医学会の機関誌「Archives of Internal Medicine」に発表された。 

 同大の江口和男(Kazuo Eguchi)教授が主導する研究チームは、高血圧と診断された1255人について、昼間と夜間の血圧、睡眠時間、心血管疾患の発症頻度を平均50か月間観察。この間、99例の心血管疾患が発生した。このうち1日あたりの睡眠時間が7.5時間未満の被験者における発症頻度は、観察人年2.4%だったのに対し、7.5時間以上の睡眠をとった被験者では同1.8%と、リスクが低下した。

 また、夜間に血圧上昇が見られる人も、心臓病が発症しやすい傾向にあることがわかった。

 こうしたことから自治医大の研究論文は、1日あたりの睡眠時間が7.5時間を切ると、脳卒中や心臓発作などの心血管疾患のリスクが、33%高まると結論付けている。

 これまでの研究で、睡眠不足は、肥満や糖尿病のほか、心血管疾患の危険因子となる夜間の高血圧、睡眠時無呼吸症などを誘発する傾向があることがわかっている。(c)AFP