【9月23日 AFP】国際的なパフォーマンスアーティストで奇術師のデービッド・ブレイン(David Blaine)さん(35)が21日から、ニューヨーク(New York)のセントラルパーク(Central Park)で「60時間空中逆さづり」にチャレンジしている。

 ブレインさんは黒のTシャツにグレイのズボンという装いで、セントラルパークにあるアイスリンク上に4階の高さからワイヤーで逆さに吊るされ、いつもとは違う角度からニューヨークを眺めている。この状態で、24日の夜まで食事も睡眠も取らずに過ごす予定だ。

 過去にも、氷の中で72時間、ガラス箱の中で44日間、水中で1週間暮らすなどのパフォーマンスをこなしてきたが、今回のチャレンジが一番困難なものだという。

「これは確かに、一番難しい。これまでは開始すればすぐに慣れたが、これは最初から難しい」。ブレインさんはAFPのインタビューのため少し体を下げると、こう語った。

 今回のチャレンジは、高層ビルやクレーンから宙吊りになり、ニューヨーカーを驚かせた19-20世紀の「脱出王」マジシャン、ハリー・フーディーニ(Harry Houdini)のパフォーマンスからヒントを得ている。拘束衣からすぐに脱出したフーディーニとは違い、ブレインさんは忍耐力を示すという。

 パフォーマンス中に食事はできないが、ストローで液体を飲むことはできる。カテーテルを用い排泄も可能だ。定期的に片足をワイヤーから外し、その片足でバランスを取りながら、頭部を持ち上げられる。

 練習では6時間しかやったことがないというブレインさんは、「6時間から未知の世界へと向かっていつもりだ」と静かな声で語った。(c)AFP