【5月18日 AFP】音楽はワインの風味に影響を与える。それは銘柄によっても異なり、例えばカベルネソーヴィニヨンにはロック系、シラーの2006年ものにはオペラが合う。英スコットランド・エディンバラ(Edinburgh)のヘリオット・ワット大学(Heriot Watt University)の心理学者らによるこうした研究結果が14日のワインアンドスピリット(Wine and Spirit)紙に発表された。

 チリのワイン醸造家アウレリオ・モンテス(Aurelio Montes)氏と共同で実施された研究は、音楽が脳内のさまざまな部位に働き、その箇所が音楽のタイプにより微妙に異なることにより、味の感じ方も違ってくると結論付けている。

 きっかけは、モンテス氏が「穏やかな波長はワインの質を向上する」との考えで、ワインを寝かせる際にグレゴリオ聖歌を聴かせていることだった。

 研究では、例えば「カルミナ・ブラーナ(Carmina Burana)」のような力強い曲を聴きながらカベルネソーヴィニヨンを飲んだ場合、音楽を全く聴かない場合と比べて「こく」が60%深まったように感じられるとの結果が出た。

 ワインアンドスピリット紙の編集者は、「ミシュランの5つ星レストランなども(ワインリストに加え)曲名リストを用意する日がいずれ来るかもしれない」と語る。研究チームがまとめたその曲名リスト(ワインの種類とそれに合う曲)は、以下の通り。

- カベルネソーヴィニヨン: ジミ・ヘンドリックスの『All Along the Watchtower』、ローリング・ストーンズの『Honky Tonk Woman』、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)の『007死ぬのは奴らだ(Live And Let Die)』、ザ・フー(The Who)の『無法の世界(Won’t Get Fooled Again)』

- シャルドネ: ブロンディー(Blondie)の『銀河のアトミック(Atomic)』、ロビー・ウィリアムス(Robbie Williams)の『Rock DJ』、ティナ・ターナー(Tina Turner)の『愛の魔力(What's Love Got to do With It)』、カイリー・ミノーグ(Kylie Minogue)の『スピニング・アラウンド(Spinning Around)』 

- シラー: プッチーニ作曲の『誰も寝てはならぬ(Nessun Dorma)』、エンヤ(Enya)の『オリノコ・フロウ(Orinoco Flow)』、バンゲリス(Vangelis)の『炎のランナー(Chariots of Fire)』、ヨハン・パッヘルベル(Johann Pachelbel)の『カノン(Canon)』

- メルロー: オーティス・レディング(Otis Redding)の『Sitting On The Dock Of The Bay』、ライオネル・リッチー(Lionel Richie)の『Easy』、エヴァ・キャシディ(Eva Cassidy)の『Over The Rainbow』、ホセ・ゴンザレス(Jose Gonzalez)の『Heartbeats

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