【7月23日 AFP】ベルギーで建国記念日の21日、次期首相として組閣要請を受けているキリスト教民主フランドル党(CD&V)のイブ・ルテルム(Yves Leterme)党首が、公共放送の取材に対して何の祝日かを答えられず、またベルギー国歌を歌うよう求められてフランス国歌を歌った。

 国家行事である祝賀式典に到着したルテルム氏は、公共放送RTBFの取材で今日は何の祝日かと質問され、「憲法記念日」と返答した。実際は1831年7月21日、レオポルド1世(Leopold I)が国王に即位し、立憲君主国となったことに由来する建国記念日だった。

 さらに国歌を知っているかと問われ、2、3小節を歌うよう求められると、同氏はほほ笑みながらフランスの国歌「ラ・マルセイエーズ(La Marseillaise)」の冒頭部分を歌い始めた。記者に、本当にそれがベルギー国歌「ラ・ブラバンソンヌ(La Brabanconne)」の歌詞だと思っているのかと問われると「分からない」と答えた。

 ただしRTBFは、建国記念日制定の由来を知っているベルギー人は5人に1人にすぎないと、ルテルム氏を「擁護」した。

 ルテルム氏率いるフラマン系のCD&Vは、6月10日の総選挙で30議席を獲得し、与党を抜いて第1党に躍進。約8年ぶりの政権交代となり、ルテルム氏は7月15日に国王アルベール2世( King Albert II)から組閣要請を受けた。

 ベルギーの人口約1050万人のうち、オランダ語を話すフラマン地域に600万人、フランス語を話すワロン地域に350万人、フランス語人口が大半を占める首都ブリュッセル(Brussels)に100万人が住む。

 フラマン地域は国内で最も裕福な地域で、同地域の各政党は、政治勢力の拡大、特に雇用政策の運営権限を連邦政府から地域政府に移譲するよう、連邦政府に求めている。(c)AFP