【11月12日 AFP】都市部の道路で車から吐き出される一酸化炭素ガス(CO)は、都市生活のストレスを軽減してくれているのかもしれない。イスラエルのテルアビブ大(Tel Aviv University)の研究チームが、このような論文を同大のウェブサイト「American Friends of Tel Aviv University」に発表した。

 イツァク・シュネル(Itzhak Schnell)教授のチームは、健康な成人36人にテルアビブ市内の歩道を歩いてもらったあと、バスに乗って市場に買い物に行ってもらい、この間に吸ったCOの量を測定した。COはにおいも色もない有毒ガスで、高濃度の場合は人を死に至らしめることがある。

 その結果、30分ごとの吸引量は約1~15ppmと、予想をはるかに下回っていた。さらに、被験者は街の騒音や人ごみによりストレスレベルが上がったものの、COにこうしたストレスを和らげる麻酔効果があるらしいことが分かった。

 論文は、以上の結果から、「都市生活は研究者が予想していたほどには健康に悪くないかもしれない」と述べている。ただし、COに長時間さらされるとストレス軽減効果は弱くなっていったという。(c)AFP