【1月2日 AFP】もしもタランチュラを間近で観察したいのならば、ガラスごしか、または眼鏡をかけて見た方がよいだろう――12月31日発行の発行の英医学専門誌「ランセット(The Lancet)」は、英リーズ(Leeds)の29歳の男性が、そのことを身をもって学習することになったと報告した。

 2009年2月、リーズのセント・ジェームズ大学病院(St James's University Hospital)に、片方の目を真っ赤にした男性が現れた。3週間にわたって刺すような痛みがあり、目はうるんでおり光に過敏になっていたという。

 治りにくい結膜炎にかかっていると判断した医師らは抗生剤を処方したが、症状の回復はみられなかった。高倍率レンズで再検査したところ、男性の角膜に非常に細い毛のような突起物が刺さっているのがみつかった。そこで初めて、男性は目の痛みが気になる直前に、ペットのクモと接触していたことを思い出したという。

 この男性は、こぶし大の「チリアン・ローズ・タランチュラ」を自宅で飼育していた。ある日、飼育槽のガラスにこびりついた汚れを清掃している際に、ふと振り返って、こぶし大のペットのタランチュラと間近で目があったという。

 ランセット誌によれば、その際にクモが多数の毛を放出し、男性の目や顔に刺さったという。男性の症状は局所ステロイドで改善されたものの、男性は、09年8月の時点でもまだ不快感を訴えていた。

 ランセット誌は「タランチュラを飼育している人は、タランチュラを取り扱う際に常に目の保護をするように」と締めくくった。(c)AFP