【12月18日 AFP】アジア人やアフリカ人は幹細胞研究の恩恵をヨーロッパ人ほど受けないかもしれないとする米ミシガン大学(University of Michigan)の研究結果が、16日の医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に発表された。これまでに集められた幹細胞株に人種の偏りがあるためという。

 同大チームは、現在研究で使用されている推定700株の幹細胞株のうち、一般的に使用されている47株の「起源」を調べた。その結果、東アジア系はわずか2株で、アフリカ系や太平洋諸島系、ネイティブアメリカン系は0株。ヨーロッパ系が圧倒的多数だった。

 幹細胞は、体内のほぼすべての組織に分化できる能力を持つため、がんやアルツハイマー病を含むさまざまな病気の治療や、移植のための臓器や組織の生成に高い期待が寄せられている。

 研究チームは、医薬品や治療に対する反応が人種によって異なる可能性があるため、幹細胞株に多様性を持たせる必要があるとしている。(c)AFP