【9月16日 AFP】新型インフルエンザA型(H1N1)の感染者のなかには、症状がおさまってから8日経過してもなお感染力を保っている場合があるとする2つの研究結果が、今週サンフランシスコ(San Francisco)で開催されたアメリカ微生物学会(American Society for Microbiology)年次総会で発表された。

 米国の保健衛生当局は現在、新型インフルエンザの感染者に対し、感染拡大を防ぐため、熱が下がっても24時間は待機するよう推奨している。だがカナダとシンガポールで行われた2つの研究は、感染者の19~30%は熱が下がって8日以上たっても感染力が残っている可能性があると指摘している。

 カナダ・ケベック国立公衆衛生研究所(National Public Health Institute of Quebec)が感染者43人を対象に調査したところ、熱が下がって8日後になお増殖能力を持つ生きたウイルスが検出されたのは、19%にあたる8人にのぼった。なお、10日後になると、検出された人は1人もいなかったという。
 
 シンガポールのタン・トク・セン病院(Tan Tock Seng Hospital)での調査では、熱が下がってから8日後にも生きたウイルスが検出されたのは患者70人のうち20~30%に達し、16日が経過しても検出された患者がいた。なお、抗ウイルス剤による治療を受けた患者では、この感染可能期間は短かったという。
 
 ケベック国立公衆衛生研究所は、今回の研究では熱が下がってから8日目のウイルス量(ウイルス・ロード)の血中濃度が考慮されておらず、調査を続けるとした。感染リスクを推定するには、ウイルス・ロードのデータが重要とされている。(c)AFP