【7月28日 AFP】米国の医療費を年間数百万ドルも食いつぶし、子どもの寿命まで短くしている「肥満」。この深刻な社会問題を払拭(ふっしょく)するために、米国人はライフスタイルを変える必要があるとする報告書が、27日発表された。

 米疾病対策センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)が、同センター主宰の肥満に関する会議で明らかにしたもので、それによると、現在「太りすぎ」または「肥満」の国民は大人の3分の2、子どもでは約5人に1人にのぼっている。肥満率の上昇は米国国民の医療費も圧迫している。たとえば11年前、糖尿病など肥満関連の病気に支出される医療費は総額約780億ドル(約7兆4000億円)だったが、2006年には約1470億ドル(約14兆円)に膨れあがった。

 子どもの肥満を2015年までに激減させることを目的に設立された団体「Alliance for a Healthier Generation(健康な新世代のための同盟)」を代表して会議に参加したビル・クリントン(Bill Clinton)元大統領も、「子どもの肥満はこの国の最大の問題の1つ。わが国の歴史において初めて、子どもの寿命が親の寿命よりも短くなろうとしている」と懸念を示した。

 CDCは、肥満を防止して関連の医療費を抑える有効な方法として、子ども部屋にテレビを置くことを禁止する、新鮮な野菜を買いやすくする、砂糖が多く含まれているソフトドリンクに税金をかける、など、20通り以上を挙げている。(c)AFP/Karin Zeitvogel