【3月17日 AFP】米首都ワシントンD.C.(Washington D.C.)の保健当局が16日発表した報告書によると、同地区でエイズウイルス(HIV)がまん延しており、黒人男性や年齢40-49歳の人々の間で最も感染が拡大している。

 同報告書によると、08年末の時点で、ワシントンD.C.の12歳以上の全人口の3%がエイズの原因となるHIVウイルスに感染していた。

 報告書は、「HIV/エイズの感染率が人口の3%というのを少ない割合と考える人もいるかもしれない。比較すると、米国の全人口のうち、がん患者は0.5%以下にすぎない」と述べた。

 また報告書は、国連(UN)のエイズ関連機関と米疾病対策センター(US Centers for Disease Control and PreventionCDC)が、エイズ感染について、「ある地域の住民の感染率が1%を超えた場合は、まん延した深刻な状態」と定義したことを指摘。「ワシントンD.C.全体の割合はその3倍以上に上っている」と述べた。

 さらに、「全住民の3分の1から2分の1は、自分が感染しているかどうかを把握していない」ため、実際の感染率はさらに高いだろうと述べた。

 国連合同エイズ計画(Joint United Nations Programme on HIV/AIDSUNAIDS)によると、ワシントンD.C.の感染率は、アフリカ西部の低開発国ブルキナファソや東欧のウクライナよりも高い。両国の15-49歳の感染率はともに約1.6%だった。

 ワシントンD.C.におけるエイズウイルスの感染経路のうち最も多かったのは男性同士の性交渉で、10件あたり4件を占めた。次に多かったのが異性間の性交渉で28%、次いで薬物注射で18%となった。(c)AFP