【1月30日 AFP】人が感じる幸福感の度合いを年齢別グラフにすると、人生の始まりと終わりでは高く中年期で落ち込むという「U字型曲線」を描くとの研究報告が、英ウォリック大学(University of Warwick)で開かれた記者会見で発表された。

 英ウォリック大学と米ダートマス大学(Dartmouth College)の経済学者チームは、80か国200万人の精神的健康に関するデータを分析した。その結果、英国では男女ともに44歳前後で気持ちが落ち込む可能性が高い一方、米国では女性は40歳前後、男性は50歳前後と、男女間に隔たりがあることが分かった。

 ただ、幸福感の調査結果を年齢ごとに集計するとU字型曲線になるのは世界共通の事象で、中高年期での気持ちの落ち込みは配偶者の有無や仕事、収入、子どもや孫の変化などには関係なく起こるという。

 共同著者のAndrew Oswald氏は「性別、配偶者の有無、貧富の度合い、子どもの有無などに関係なく起こる。なぜ、このような一貫性があるのかは分からない」と述べた。精神面の健康はある年に急に訪れるのではなく、ゆっくりと下降する。50代になるとようやく気持ちの落ち込みから回復し出し、70代になって身体的に健康であれば、20歳くらいの幸福感と心の健康が得られるという。「おそらく中高年期にこのような気持ちになることが全く普通だということを知っていれば、この時期をうまく乗り切る助けになるだろう」と付け加えた。

 研究結果は独誌Social Science & Medicineに掲載される。(c)AFP

Social Science & MedicineのHP(英語)