【12月30日 AFP】(12月31日 一部更新、写真追加)フランスでは2008年1月1日、バー、レストラン、ナイトクラブなどを対象とする喫煙禁止令が施行され、公共の場は完全な禁煙スペースになる。

 喫煙は長い間、奪うことのできない権利とみなされてきたが、新年早々その権利は奪われることになる。愛され続けてきたフランスのカフェ文化の最期だと危惧する声も聞こえるが、大規模な抗議が行われると予想する人は少ない。

 ロズリーヌ・バシュロ(Roselyne Bachelot)保健相は、「喫煙禁止の法令は、1年以上準備ができていた。施行されることは、みんな知っている。だまされたと言える人はいない」と話している。

 企業や学校、病院、駅、空港、汽車内などは、すでに2月から禁煙となっている。欧州ではフランスに先駆けて、アイルランド、英国、イタリア、スペインが、公共スペースの喫煙を禁止している。

 娯楽施設での禁煙が11か月遅れたのは、施設の責任者が望めば、隔離され上、換気装置付きの喫煙ルームを設置することができるよう準備期間を設けたため。ただ、経費がかかるため、このオプションを選択する責任者は少ないとみられている。

 カフェやレストランではすでに、禁煙を実行しているところもあり、中には、顧客が増えた店舗もある。フランス政府は、イタリアがバーとレストランを禁煙した結果、売り上げが20%増加したことを強調している。

 フランスの法律では、公共の場でたばこに火をつければ、最高450ユーロ(約7万4000円)の罰金が科せられ、施設の責任者にも、最高750ユーロ(約12万4000円)の罰金が科せられる。

 フランス政府は、禁煙を法制化することで公衆衛生の向上を目指しており、喫煙者に禁煙を促すことができるとしている。保健省によると同国ではタバコが避けられることができた死の原因のトップになっており、毎年5000人以上が受動喫煙により、直接の喫煙者により6万6000人が死亡している。(c)AFP