【9月7日 AFP】今年5月に香港(Hong Kong)で話題をさらい、中国各地で偽物が相次いで出現して物議を醸したアヒルのおもちゃの巨大アート「ラバー・ダック(Rubber Duck)」が6日、ついに北京(Beijing)に登場した。だが、本物のアヒルの中国本土初登場を歓迎する声がある一方で、観覧料を払わなければ見られないことに苦情も出ている。

 オランダ人アーティストのフロレンティン・ホフマン(Florentijn Hofman)氏が生み出した巨大アヒルは、2007年に誕生して以来、オーストラリアや南米など世界各地で展示され人気を集めてきた。特に今年、香港のビクトリア・ハーバー(Victoria Harbour)に展示された際には大きな注目を集め、中国本土では便乗して一儲けしようとした不動産開発業者らが「偽アヒル」を作って各地に展示。中国共産党の機関紙・人民日報(People's Daily)が紙面で批判する事態を生んだ。

 この巨大アヒルをめぐる金儲けの構図は今回、本物にも波及。これまで無料で見ることができた「ラバー・ダック」だが、北京での展示場所は、入場料100元(約1600円)の国際園林博覧会(International Garden Expo)内だったのだ。

 博覧会の入り口には「大きな黄色いアヒルを見て、全聚徳(Quanjude)の北京ダック・バーガーを食べにいらっしゃい」と書かれた大きな看板が掲げられていたが、6日の入場者はまばらだった。

 巨大アヒルの展示は1週間後には市内の観光名所「頤和園(Summer Palace)」に移されるが、ここも入場は有料となっている。(c)AFP