【12月8日 AFP】英競売ボナムズ(Bonhams)がロンドン(London)で開いたオークションで7日、17世紀スペインの画家、ディエゴ・ベラスケス(Diego Velazquez)の絵画「Portrait of a Gentleman(紳士の肖像)」が300万ポンド(約3億7000万円)で落札された。この作品は、その存在が昨年初めて明らかになったもの。

「Portrait of a Gentleman」は、典型的な17世紀の襟元の衣服に、口ひげと顎ひげをたくわえた中年紳士の肖像画。2010年8月、オックスフォード(Oxford)のボナムズに19世紀の英国人画家、マシュー・シェパーソン(Matthew Shepperson)の一連の作品が持ち込まれた際、その中に含まれていた。

 ボナムズがX線検査などの鑑定を行った結果、この絵画がベラスケスの手によるものだと確認。さらにアイルランド・ダブリン大学(University of Dublin)のベラスケス専門家、ピーター・チェリー(Peter Cherry)氏からもお墨付きを得た。

 ボナムズの古典名画を担当する、アンドルー・マッケンジー(Andrew McKenzie)氏は「西洋芸術の全史を通じて、ベラスケスは最も偉大な天才画家の1人。そのベラスケスの失われていた作品の発見は、生涯に一度あるかないかの経験だ」と語った。(c)AFP