【11月29日 AFP】ロンドン(London)・ウエストエンド(West End)でショーを見る観光客に朗報だ。手のひらサイズの字幕装置が26日に導入され、8か国語で楽しめるようになったのだ。

 この装置は「エアスクリプト(AirScript)」。せりふや歌詞を英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、日本語、中国語の8か国語に翻訳したものを、無線ネットワークで観客の手元の装置に送信する。シャフツベリー劇場(Shaftesbury Theatre)で上演中の人気ミュージカル『ヘアスプレー(Hairspray)』でこの装置が初めて使われている。

 装置を開発したケンブリッジ・コンサルタンツ(Cambridge Consultants)によると、字幕のタイミングはプロンプター(台詞などを忘れた俳優に合図を送る役割の人)が調節するため、ショーとずれることはないという。またこの装置を利用しない観客への配慮として、画面背景色は光が漏れにくい黒で、音は全くしないという。聴覚障害がある人にも便利だとしている。

 現在、ウエストエンドの多くの劇場で舞台脇のスクリーンに字幕が表示されているが、1か国語のみの上、見づらいという問題がある。ロンドン劇場協会(Society of London Theatre)によると、ロンドンで上演されるショーのチケットの3分の1は、海外からの観光客が購入している。(c)AFP