【10月20日 AFP】米ニューヨーク(New York)のメトロポリタン美術館(Metropolitan Museum of Art)で21日、日本のサムライ文化をテーマにした大規模な展覧会「アート・オブ・サムライ(Art of the Samurai: Japanese Arms and Armor, 1156-1868)」が開幕する。

 約700年にわたり日本の政治、社会、経済を支配した武士の「表道具」が展示されており、同館によれば、日本を含め世界でも類を見ない包括的な武士に関する展覧会だという。会場には国宝34点などを含む214点もの刀剣やよろいかぶとなどが並べられ、中には日本国外へ初めて持ち出されたものもある。

 刀やよろいなどの武具は非常に貴重なもので、権力の誇示や戦のために武士が着用した。優れた武具のためなら、金額に糸目はつけなかったという。

 武士の中には高い教養を身につけた人物もいて、名人級の詩人や書道家などがいた。同館は「表道具」とともに絵画なども展示し、武士の出現と発展を知る珍しい機会になるとしている。キュレーターの小川盛弘(Morihiro Ogawa)氏によれば、日本の神社仏閣以外では初公開となる物など珍しい展示物もあるという。

 展覧会一の注目は日本刀で、当時で銀2.25キロ分の価値があった13世紀の太刀も展示されている。さらによろいかぶとに対する注目も高く、桃成かぶとのほか、カマキリ型、仏塔型、カニ型の立物が付いたかぶとなどが展示されている。(c)AFP/Luis Torres de la Llosa