【11月1日 AFP】タイムズ(The Times)紙は31日、謎に包まれた世界的なグラフィティアーティスト、バンクシー(Banksy)とみられる人物が作品を制作中の姿を撮影した写真を公表した。制作中のバンクシーが目撃されたのは初めてとされている。

 写真には、バンクシーとみられる黒髪の男性がジーンズとジャンパー姿で防護マスクをつけ、街頭に作品を描いている姿が写っている。付近を通りかかった通行人が携帯電話のカメラで撮影したものだという。

 一方、バンクシーの広報担当者は「バンクシーとされるいかなる写真について、肯定も否定もしない」と話している。

バンクシーの最新作となるこの作品は、ロンドン(London)東部のタワー・ハムレット(Tower Hamlets)区にある駐車場に描かれたもの。黄色い2本の線が道路脇の排水溝を横切り建物の壁面まで伸び、壁面には巨大なひまわりが描かれている。

  最近、市当局はバンクシーがロンドン市内に描くグラフィティアートを消すと宣言した。この作品は、それに対する仕返しだといわれている。

 バンクシーの作品は世界各地で高額で売買されており、女優のアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)などの有名人らが数万ポンド(数百万円)もの大金をはたき相次い購入したことで知られている。その半面、彼がステンシルで壁や広告板に描いた作品は、ロンドン市内のあちこちで見られる。

 4月には、1994年公開の映画『パルプ・フィクション(Pulp Fiction)』でジョン・トラヴォルタ(John Travolta)とサミュエル・L・ジャクソン(Samuel L Jackson)が演じた登場人物の手に、銃の代わりにバナナが握られている絵を作業員が消してしまうという珍事が起きた。このときの作品は約30万ポンド(約7200万円)の価値があったと報じられている。(c)AFP