2007年10月8日、英ロンドン(London)のテート・モダンに展示されたコロンビアの芸術家、ドリス・サルセド(Doris Salcedo)のインスタレーション『Shibboleth』。(c)AFP/SHAUN CURRY
【10月9日 AFP】ロンドン(London)の近現代美術館、テート・モダン(Tate Modern)で8日、コロンビアの芸術家、ドリス・サルセド(Doris Salcedo)のインスタレーション展『Shibboleth』が始まった。
この展示は同美術館内にある奥行き167メートルの「タービン・ホール(Turbine Hall)」のコンクリートの床に、「ひび」を表現したもの。ひびは髪の毛の細さのものに始まり、徐々に太く深くなり、床をジクザグにはう。制作には1年、展示には5週間かかったという。
サルセドは記者団に対し、「重要なのは、作品の持つ意味です。作り方は重要ではありません」と、人種主義や白人とその他人種との間の深い溝を表現した作品の意味の重要性を強調した。
ひびの深さについて聞かれると、「底はありません。人間性と同じくらい深いのです」と答えた。
露出しているひびには金網が組み込まれている。これは、「境界や仕切りを設ける際、最も一般的に使われている手法」だからだという。
「作品は国境、移民の経験、人種差別の経験、人種的憎悪の経験、欧州の中心地に来た第3世界の人たちの経験を表現しています。例えば、不法移民が占拠しているのは負の場所です。だから、この作品は負の場所なのです」
『Shibboleth』はサルセドが英国で行う初の展覧会。もともと発電所だった場所を改築して作ったテート・モダンのタービン・ホールでは毎年、ユニリーバ(Unilever)の提供で現代芸術家によるインスタレーション作品の展示が行われているが、今回はその8回目にあたる。2006年はカールステン・フラー(Carsten Hoeller)の巨大滑り台だった。
同美術館では展示の間、スタッフがひびのそばに常駐し、見学者が足を踏み外して落ちたりしないよう、注意を促すという。
2008年4月にはひびを埋めることで展示が終了する。テート・モダンのニコラス・セロータ(Nicholas Serota)館長は、「痕跡」は「作品の思い出とドリスが取り上げた問題の思い出」として残ると語った。
Shibbolethはもともと旧約聖書で使われていたヘブライ語で、「よそ者を見分けるための慣習」を意味した。(c)AFP
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