【9月13日 AFP】ノーベル賞(Nobel Prize)のパロディー版、第23回「イグ・ノーベル賞(Ig Nobel Prizes)」の授賞式が12日、米ハーバード大学(Harvard University)で行われ、「人々を笑わせ、そして次に考えさせる」研究を行った科学者らに、正真正銘のノーベル賞受賞者たちから賞が手渡された。

 自腹で授賞式に参加した受賞者には各1分間のスピーチ時間が与えられたが、持ち時間は8歳の「無情な」少女がきっちり管理した。

 各賞の受賞者と受賞内容は以下のとおり。

・平和賞
 公共の場で拍手をすることを違法としたベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領と、腕が1本しかない男性を拍手をした罪で逮捕した同国の警察が共同受賞。

・安全工学賞
 飛行機をハイジャックした人物をわなにかけて箱詰めにし、パラシュートで警察に引き渡すシステムを発明した、米研究者の故ジュスティーノ・ピッツォ(Gustano Pizzo)氏が受賞。

・確率賞
 ウシは横たわっている時間が長くなればなるほど、もうすぐ立ち上がる確率が高くなるとの研究結果を発表した英蘭カナダの共同チームが受賞。同チームはまた、一度立ち上がったウシがいつになったら次に横たわるかを予測するのは難しいことも発見した。

・物理学賞
 人によっては、池の表面を走れる身体能力がある可能性を発見した研究チームが受賞。ただし、月面であることが条件。

・生物学賞および天文学賞
 道に迷ったフンコロガシは天の川を道しるべに帰巣することを発見したスウェーデン、オーストラリア、ドイツ、英国の国際研究チームが受賞。

・心理学賞
 酔った人は自分のことを本気でもっと魅力的だと考えていることを証明した研究チームが受賞。

・化学賞
 タマネギを切るとなぜ涙が出るのかという長年の疑問に取り組み、「生化学過程はこれまで認識されていたよりも、ずっと複雑だった」という結論に至った日本とドイツの国際研究チームが受賞。

・考古学賞
 トガリネズミの死骸を湯通ししてかまずにのみ込み、人間の消化器系内でどの骨が消化されるかを確認するために、自分たちの排泄物を入念に観察した米国とカナダの国際研究チームが受賞。(c)AFP