【9月11日 AFP】クモの糸をカーボンナノチューブでコーティングし、高強度かつ電気伝導性のある繊維を開発したとの論文が、10日の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に掲載された。

 クモの糸は、同重量当たりの耐荷重で自然界で最も強い物質の一つとされているが、米国国立強磁場研究所(National High Magnetic Field Laboratory)のイーデン・スティーブン(Eden Steven)氏が率いた研究チームが開発した繊維は、未処理のクモの糸の3倍の強度を持つという。

 この繊維を使った初の試みとして、ナノスケールの医療機器のテストが行われている。テストでは、試作品が心拍計とピストンとして使われ、電流と水分を使って繊維を筋肉のように収縮させ、35ミリグラムという比較的大きな重量を持ち上げることに成功した。(c)AFP