【4月30日 AFP】欧州宇宙機関(ESA)は29日、数々の星や銀河誕生の観測に成功したハーシェル(Herschel)宇宙望遠鏡が、冷却材を使い果たしたため運用を終了したと発表した。

 2009年に打ち上げられたハーシェル宇宙望遠鏡は、宇宙空間で最も大きく強力な赤外線望遠鏡だった。冷却材として液体ヘリウム2300リットルを積載していたが、徐々に蒸発するため、寿命は3.5年とされていた。

 ESAは「ハーシェルは3万5000件を超える観察を行い、約600の観測プログラムのために2万5000時間以上に相当する科学データを蓄積した。アーカイブはこのミッションの遺産となる。その中からは、これまでに得られた発見を超え、さらなる発見が期待できるだろう」と賛辞を送った。

 ハーシェルの赤外線技術は、宇宙塵の雲に隠れてそれ以前は観測できなかった数々の銀河の観測を可能にした。2011年には宇宙空間に酸素分子が存在する確証を発見した。(c)AFP