【4月10日 AFP】男性器の大きさは女性にとって重要なのかどうか、という永遠の問題の調査・研究に取り組んだ国際科学者チームが8日、その結果を米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)に発表した。出した答えは「イエス、女性は大きい男性ほど魅力的に感じる」だった。

 さらに、着衣の習慣がない先史時代の女性は、相手男性の露出した性器が見えるので、より大きな男性を性的パートナーに選んでいた可能性があり、これが人間の男性の生殖器が他の霊長類に比べて大きく進化した要因の1つになっているという。

 研究者らがこの問題に取り組むことにした理由は、従来の研究が出した答えがそれぞれ食い違っており、女性への聞き方が率直すぎた点に問題があった可能性があるからだという。

 今回の研究論文の主執筆者で、カナダ・オタワ大学(University of Ottawa)の進化・性淘汰学の博士研究員、ブライアン・マウツ(Brian Mautz)氏は、AFPの取材に「男性器の大きさというのはデリケートな話題なので、女性が答える際にうそをついているのか、『自分を欺いて』いるのか見極めるのは難しい」と電子メールで答えた。

■男性器長く高身長の男性に魅力

 そこでマウツ氏らの研究チームは、コンピューターで作成した一般的な男性の人物画像で、身長、体型、弛緩(しかん)状態の男性器の長さなどを変えたものを使用する新しいタイプの研究に着手した。

 オーストラリア人女性105人を対象に、さまざまな角度から眺められるように回転している、ロボットのような実物大画像を53種類閲覧させた。

 女性はすべて異性愛者で、女性には男性器のサイズに関する研究に参加していることは伏せて、性的魅力という点から人物画像を採点するようにとだけ指示した。回答は匿名で集めた。

 その結果、女性らが最も魅力的と評価したのは、男性器が長い高身長の男性であることが明らかになった。

 また、男性器が大きい男性ほど、女性が見つめる時間が長くなる傾向が見られた。ただしそれほど長いわけではなく、各採点に要する時間は約3秒ほどだった。

■進化に影響も

 では、どのくらい大きければベストなのか――この疑問に関しては、今回は答えは出なかった。「理想的な(すなわち最も魅力的な)男性器の大きさや長さについては明らかにならなかった」とマウツ氏は説明する。「魅力という採点項目の得点は、これらの特性が最大値に至るまで増え続けていた」

 研究によると、今回の結果は「大半の女性は男性器の大きさを重要視しないという主張を真っ向から否定する」ものであり、人間の男性が他の霊長類に比べて大きな生殖器を持つ傾向が見られる要因を示唆するものだという。「女性による配偶者選択が、人間男性の比較的大きな性器の進化に影響を及ぼした可能性があることが今回の結果で明らかになった」「着衣の習慣がない時代では、格納式ではない人間の男性器は、相手を探している女性にとって目に付きやすいポイントだったのだろう」

 今回の論文では、男性の人種的背景とそれが男性器の大きさに影響を及ぼすかどうかは言及されていないが、研究の対象とした女性の民族性と年齢に関しては明確に記載されている。研究対象の女性の7割強が欧州系、2割がアジア系、7%がその他の人種で、平均年齢は26歳だった。(c)AFP/Kerry Sheridan