【4月3日 AFP】30年以上の眠りから目覚めたブラックホールが惑星サイズの物体をむしゃむしゃと食べる――地球から4700万光年離れた銀河での「おやつ」シーンが2日、スイス・ジュネーブ大学(University of Geneva)の報告で明らかになった。

 欧州宇宙機関(European Space AgencyESA)の運営で2002年に始動したガンマ線観測衛星プロジェクト、インテグラル(INTEGRAL)が集めたデータを同大学が解析したところ、30年以上休眠状態にあったブラックホールが、接近した巨大な低質量の物体を勢い良く「食べた」ことが判明。ジュネーブ大学によると、このブラックホールは銀河NGC 4845の中心にあり、質量は太陽の30万倍に上る。

 物体を吸い込むブラックホールは通常、銀河の中心部で影を潜め、存在も特定できないが、時に「食べ残した」星の残骸でその存在を伺わせることがある。

 今回ブラックホールの犠牲になったのは、木星の15倍の質量を持つ物体。3か月かけて軌道から引きずり出された末、全質量の10%が飲み込まれた。残骸は軌道に残されている。ESAは別の報告で、この物体は、巨大惑星、または質量が小さく太陽のように熱核融合反応で自ら輝くことができない褐色矮星だとしている。(c)AFP