【4月1日 Relaxnews】機種を問わず全てのスマートフォン(多機能携帯電話)のユーザーに共通する悩みといえば、指紋まみれで汚れた画面だ。だが、新開発のコーティング技術によって、この悩みも過去のものとなるかもしれない。

 これまでスマートフォンユーザーに与えられた選択肢は、2つだけだった。自分の使っている機種の人気が高くなって画面カバーが発売されるのを待つか、小まめに画面を拭くか、だ。しかし間もなく3番目の選択肢として、もっと割安で、誰でも利用可能で、もっと衛生的な解決法が誕生する可能性がある。

 カナダ・オンタリオ(Ontario)州キングストン(Kingston)にあるクイーンズ大学(Queen's University)の化学者らは、このほど画期的なコーティング技術を開発した。例えばガラスに適用すると、常に水性と油性の物質をはじくようになる。ガラスだけでなく、さまざまな物質の表面にコーティングできるという。

 この「スマートコーティング」技術を開発したのは、クイーンズ大のグオジュン・リウ(Guojun Liu)博士とディーン・シオン(Dean Xiong)氏。既に商品化をめぐって大きな関心を集めており、先週、オンタリオ州内で開発された技術の実用化を後押しする「オンタリオ・センターオブエクセレンス(Ontario Centres of ExcellenceOCE)」から20万ドル(約1900万円)の投資を受けた。

 スマートフォンやタブレット端末の画面を指紋汚れから解放するのみならず、「スマートコーティング」を施すと金属、木材、陶器、プラスチック、布地、繊維、紙などでも汚れをはじくことが確認されている。この新技術を活用して、落書きのできない壁や、氷を付着させず曇りを防ぐコーティング剤などを開発する実験も行われている。

「この超・両疎媒性技術が素晴らしいのは、工業分野に存在する幅広い課題を解決できる潜在力があり、しかも環境に優しいという点です」と、学内の研究成果の商業化を担当するクイーンズ大の部署「PARTEQイノベーション(PARTEQ Innovations)」のルーシー・スー(Lucy Su)氏は説明した。

 研究チームは既に、塗料・塗装の添加剤メーカーと提携し、商品化への第一歩を踏み出している。(c)Relaxnews/AFPBB News