【2月25日 AFP】鳥か、飛行機か、いや、空飛ぶ「サメの皮」だ──更なる高燃費をめざし、エアロダイナミックの進化に飽くなき探求心で挑む航空産業は、海洋最古の捕食生物「サメ」に省エネの鍵を見出し始めている。

 独航空最大手ルフトハンザ航空(Lufthansa)は今月初め、所有するエアバスA340-300のうち2機で「サメ皮」の性質を応用した技術の試験に参加すると発表した。

 今夏から始まる2年間の試験期間中、2機は機体と翼部分に10センチ四方の新素材の小片が施される。使われる最先端の塗布技術は、独ブレーメン(Bremen)のフラウンホーファー生産技術・応用マテリアル研究所(Fraunhofer Institute for Manufacturing Technology and Advanced Materials)が開発した。泳ぎが速いサメの皮をまねようという試みだ。

 サメの皮は非常に細かいうろこで覆われている。このうろこが表面で生じる水流の乱れを抑え、水との摩擦を減少するため表面抵抗が低減し速く泳げる仕組みになっている。
 
 エアバス(Airbus)の航空物理学技術研究を率いるデニス・ダラック(Denis Darracq)氏によれば、この技術を巡ってはルフトハンザ航空での試験を最終段階として産業応用に進む可能性があるという。(c)AFP/Etienne Balmer