【2月12日 AFP】外洋性のイカが30メートル以上の距離を飛行することを確認したと日本の研究チームが8日、発表した。

 北海道大学(Hokkaido University)の山本潤(Jun Yamamoto)助教はAFPの取材に、イカの飛行は以前から目撃されていたが、その仕組みはわかっていなかったと語った。飛ぶ理由については、捕食者から逃げるためとみられている。

 研究チームは2012年7月、東京の600キロ東方沖で、およそ100匹のアカイカ科のイカの群れに遭遇。船が群れに近づくと、体長20センチメートルほどのイカの群れが空を飛んだ。研究チームの撮影した写真には、上空を飛ぶ20匹以上のイカが映っている。

 山本氏によると、イカは高圧の水を吐き出して海から飛び出し、ひれと腕の間の膜を広げて揚力を獲得し、最高時速40.3キロメートルで滑空。着水時にはひれをしまい、衝撃を最低限に抑えたという。研究チームは報告書で、イカが水面から飛び上がるだけでなく、飛行中は高度に発達した飛行行動を持つことが明らかになったと述べている。イカの飛行のメカニズムを解明したのは世界で初めてとされる。

 研究は前週のドイツの専門誌「マリーンバイオロジー(Marine Biology)」に掲載された。(c)AFP/Harumi Ozawa