【1月21日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は20日、火星を周回している探査機マーズ・リコネサンス・オービター(Mars Reconnaissance OrbiterMRO)の観測で、火星のクレーターの底に地下水がたまってできたとみられる古代の湖の痕跡が見つかったと発表した。火星にかつて生命が存在していたとする説をさらに支持する証拠になるという。英科学誌「ネイチャージオサイエンス(Nature Geoscience)」電子版に論文が発表された。

 MRO搭載のスペクトロメーターの観測データから、通常は水が存在する場所に形成される炭酸塩鉱物と粘土鉱物の痕跡が深さ2.2キロメートルのマクローリン・クレーター(McLaughlin Crater)の底部に存在することが示されたという。

 NASAはかつてクレーター内部に水がたたえられ、その水の流入元である地下域が湿潤環境で、生命が生息可能な環境だった可能性があると述べている。

 NASAは、同クレーターには大規模な水の流入経路が存在しないため、湖は地下水によって形成された可能性が高いとみており、今回の発見が「炭酸塩が外部からクレーターに流れ込んだのではなく、湖の内部で形成されたことを示す最良の証拠になる」としている。(c)AFP