【12月14日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は13日、ここ数か月にわたり月の上空を周回しデータ収集を行っていた探査機「エブ(Ebb)」と「フロー(Flow)」を、17日に月面へ衝突させると発表した。

 プロジェクトマネージャーを務めるNASAジェット推進研究所(Jet Propulsion LaboratoryJPL)のデービッド・リーマン(David Lehman)氏は「大規模な衝突や爆発は起こらないとみている。燃料タンクは空になる予定で、探査機のサイズは洗濯機ほどだ」と述べている。

 探査機2機はグリニッジ標準時の17日午後10時28分(日本時間18日午前7時28分)に月の北極付近で制御降下を終え、時速3760マイル(秒速1.7キロメートル)の速度で月面に衝突する予定。衝突地点は影の中に入るため、衝突時の画像を取得することは残念ながらできないという。

「エブ」と「フロー」はこれまでで最も高解像な月の重力場地図の作成に成功した。これにより、地球などの岩でできた太陽系惑星がどのように形成・進化したかについての理解を深めることができるとNASAは話している。

 プロジェクトの主任研究員、米マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of TechnologyMIT)のマリア・ズーバー(Maria Zuber)氏は「ミッションがここまでの成功を収めるとは夢にも思わなかった」と語った。(c)AFP