【12月13日 AFP】米航空宇宙局(NASA)の天文学チームは12日、宇宙観測史上最古となる約133億年前の銀河を観測したと発表した。この度の観測により、ビッグバン(Big Bang)直後の原始宇宙の様子を垣間見ることができるという。

 NASAの発表によれば、新たに観測された7つの銀河は、宇宙全体が現在と比べてわずか7%の大きさしかなかった頃のものだという。ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)を用いて行った非常に綿密な観測による「超深宇宙領域(UDF)」と呼ばれる領域での観測だ。

 米カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)のリチャード・エリス(Richard Ellis)氏率いる天文学チームは、「ハッブルに搭載の広視野カメラ3(Wide Field Camera 3)」を使い、これまで観測されてこなかった深い領域を探った。7つの銀河のうちでも最古のものは、ビッグバンの発生から約3億8000万年後の約133億年前に誕生したとみられるという。

 この観測により、科学者らは宇宙の起源の解明に一歩近づいた。米ハーバード大学(Harvard University)天文学部のエーブラハム・ローブ(Abraham Loeb)学部長は「例えば、この頃の銀河は現在のものよりも約1000倍も高密度であることが分かった」と話している。(c)AFP/Marc-Antoine Baudoux