【11月22日 AFP】太陽系の外縁に存在する冷たい準惑星「マケマケ(Makemake)」──謎に包まれたこの星の観察データの取得にわずかながら成功したと、スペインの天文学チームが21日、科学誌「ネイチャー(Nature)」に発表した。これまでマケマケには冥王星と同じような大気が存在するのではないかと期待されていたが、「その兆候は全くなかった」という。

 マケマケは太陽系内に5つある準惑星の1つで、大きさは冥王星の約3分の2ほど。太陽からの距離はおよそ78億キロメートルで、冥王星と準惑星中最大で地球から最も遠くにあるエリス(Eris)との間に位置する。これまでの観測では他の準惑星との類似点が幾つも見つかっており、このため冥王星と似た組成の大気があると考えられていた。

 スペイン・アンダルシア天体物理学研究所(Instituto de Astrofisica de Andalucia)の研究チームは、マケマケが遠方の恒星の前を横切るのを待って、2011年4月23日にブラジルとチリに設置された7つの望遠鏡全てをマケマケの方角に向けて観測を行った。

 すると、マケマケが恒星の前を横切った際、恒星が放つ光は瞬時に消え、瞬時に復活した。マケマケに大気が存在するならば恒星の光は徐々に消え、徐々に現れるはずであることから、チームはマケマケには注目に値するほどの大気は存在しないと考えられると結論付けた。

 チームはまた、マケマケが太陽の光を冥王星より多く反射することも発見した。冥王星の太陽光反射率が52%なのに対し、マケマケは77%だったという。

 マケマケは衛星を持たず、地球からの距離も非常に遠いため観察が難しい星だが、チームは今回の観察でマケマケの形状や大きさも導き出した。それによるとマケマケは両極からやや押しつぶされたような球体で、極方向の直径は約1430キロだという。(c)AFP