【10月16日 AFP】アマチュア天文家と天文学者の国際チームが、「4つの太陽を持つ惑星」を発見し、15日に論文を発表した。

 この惑星は、米エール大学(Yale University)の系外惑星探索プログラム「プラネットハンターズ(Planet Hunters)」に参加するアマチュア天文家のキーアン・ジェク(Kian Jek)氏とロバート・ガリアーノ(Robert Gagliano)氏が最初に発見した。ハワイ(Hawaii)で観測活動を行う米英チームが惑星であることを確認し、プラネットハンターズにちなんで「PH1」と命名された。

 PH1は地球から約5000光年の距離にある巨大ガス惑星で、半径は地球の約6.2倍で海王星よりも大きい。太陽の1.5倍と0.41倍の質量を持つ互いに回り合う2つの星(連星)の周りを138日の公転周期で公転し、さらにPH1の惑星系から地球―太陽間の距離の約1000倍離れたところを別の2つの恒星が回っている。

 2つの太陽を持つ惑星はこれまでに6つしか確認されていなかった。これに加えて遠く離れたところを別の連星が回っている惑星が見つかったのは今回が初めて。

■惑星形成の研究に再考を迫る

 論文の主著者、エール大のメグ・シュワム(Meg Schwamb)氏は15日、米ネバダ(Nevada)州で開催された米国天文学会(American Astronomical SocietyAAS)惑星科学部会の年次総会で、周連星惑星(連星の周りを回る惑星)は惑星形成の極めて特殊な形であり、天文学者は力学的に複雑な環境における惑星形成とその成長過程を考え直す必要があると述べた。

 ウェブサイト「Planethunters.org」は、2009年3月に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)のケプラー(Kepler)宇宙望遠鏡のデータを用いて系外惑星を探すアマチュア天文家の支援を目的として2010年に立ち上げられた。PH1発見の論文は科学・物理学系論文ウェブサイト「arxiv.org」で15日に公開されたほか、米天文学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル(Astrophysical Journal)」にも投稿された。(c)AFP